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ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド
ゾンビ映画の起源的作品。
<ストーリー>
父の墓参りの途中、バーバラと兄のジョニーは生ける屍(ゾンビ)に襲われる。兄を殺された恐怖と悲しみの中、バーバラは近くの民家に逃げ込む。民家には新たに黒人青年のベンが逃げ込み、地下室には若いカップルのトムとジュディ、クーパー夫妻と大怪我を負った娘が潜んでいた。外部との連絡も取れないまま、周囲はゾンビの群れに取り囲まれていた。ドアや窓を塞ぎゾンビの侵入を防いだうえで脱出の方策を探るベンに対し、救助が来るまで地下室に籠ることにこだわるハリーが対立する。ゾンビたちが人間を食い殺していることをテレビで知ったバーバラたちは、最寄りの避難所への脱出を試みるが、ガス欠のトラックに給油しようとした際に漏れたガソリンに引火してトラックは爆発炎上し、トムとジュディが焼死してしまう。 停電となり情報も得られなくなった中、ベンが玄関先で燃やしていた椅子も燃え尽きたことで牽制されていたゾンビたちが次々に押し寄せる。さらに塞がれていた窓は次々に破られ、状況は絶望的に悪化していく。
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登場人物
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=n5HtgUGCM30
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=_d68kyNY0jI
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=n5HtgUGCM30
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=komxaWgJ8O4
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=ViIuvUSF3YU
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=ViIuvUSF3YU
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=komxaWgJ8O4
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=4AdWJalP1vo
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=_d68kyNY0jI
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=X6IDNqHuHmE
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=Wxue16WMP2s
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=_d68kyNY0jI
ワシントンリポーターとしてジョージ・A・ロメロが出演してますね。
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=k0NCy0zQYNY
ゾンビの起源
ゾンビの起源は、カリブ海のハイチの民間信仰“ブードゥー教”にあります。西アフリカの土着宗教“ヴォドゥン(ブードゥーは英語読み)”が植民地時代にカリブに伝わり、キリスト教などと習合して生まれました。
“人間を襲う”“感染して増殖する”など今日の一般的なゾンビの特徴は、じつは本来のブードゥー教におけるゾンビとはかけ離れた、後年になって創作されたものばかりです。では、ブードゥー教における本来のゾンビとはどういったものなのでしょうか?
まず、ゾンビはボコールと呼ばれるブードゥー教の司祭が執り行う儀式によって生まれます。ボコールは犯罪者の遺体を儀式によってよみがえらせ、生前の罪を償わせるために農園などで奴隷として働かせます。なんと本来のゾンビは、労働力として生み出されていたのでした。
ボコールの執り行う儀式にはゾンビパウダーと呼ばれる毒を用いるとのことですが、じつは、この毒で生きている相手を仮死状態にさせ遺体として埋葬し、その後特殊な方法で解毒して自我をなくした人々を奴隷として働かせていたのだ、という説もあります。
いずれにせよブードゥー教を信じる人々は“死んだ後にゾンビにされてしまう”ことを恐れ、死後36時間経つまで死体を監視したり、遺体の首を切り離したりする事もあったそうです。このあたり、噛みつかれたり感染させられたりと、ゾンビを直接的な脅威として恐れる我々ゲーマーが抱くイメージとは対照的ですね。
この本来のブードゥー教的なゾンビは1930年代、爆発的なブームを巻き起こします。1929年、ハイチに渡ったアメリカのジャーナリストであるウィリアム・シーブルックが1年間現地のブードゥー教信者と暮らし、帰国後にその体験を『THE MAGIC ISLAND』にまとめました。その中でシーブルックは実際に「ゾンビを目撃した」と記しています。
出版後“生ける死者”であるゾンビとブードゥー教は大ブームを巻き起こし、当時の雑誌や新聞はこぞって特集を組みました。街には呪いの人形などを売るブードゥーショップが軒を並べ(映画『ハチェット』(2006年公開)の冒頭にも登場していますね)、かのオーソン・ウェルズは『マクベス』の舞台をハイチに変えて上演したほどです。
そして1932年、世界初のゾンビ映画である『ホワイト・ゾンビ』(主演は『魔人ドラキュラ』のベラ・ルゴシ)が公開されています。この頃の映画に登場するゾンビは、吸血鬼やマッドサイエンティストなどのボディガード的な召使いとして登場することがほとんどで、吸血鬼やフランケンシュタインの怪物など当時の“ホラー映画界の花形スター”に比べるとまだまだマイナーな存在に過ぎませんでした。もちろん主人に命令されない限り人間を襲ったりしませんし、感染して増えるといった今日のゾンビ的な特徴はまだありません。我々がよく知るゾンビの登場は、1960年代後半まで待たないといけませんでした。
この“ブードゥー教的”ゾンビに、人間を喰らい仲間を増やすなどの攻撃的な特徴付けをしたのが、“ゾンビ映画の父”と呼ばれるジョージ・A・ロメロ監督です。昨年7月になくなったロメロ監督によるエポックメイキングなゾンビ映画『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』(1968年公開、以下『NOTLD』)は、これまでのゾンビ像を塗り替え、後のゾンビ像を決定づけるほどの多大な影響を及ぼしました。
この作品の登場によって、BEM(Big Eyed Monster=巨大な目の怪物)などの地球外生命体や欧州の民話に出てくる旧態依然とした怪物たちは一掃され、ホラー映画は新たな時代を迎えていきます。
ロメロ監督は『NOTLD』において、“生き血を吸って仲間を増やす”という吸血鬼の特性をゾンビに取り入れ、“噛まれたり傷つけられた者はゾンビになってよみがえる”という特徴を作りだしました。また、“死者が生き返る”“弱点(頭部もしくは心臓)への一撃で死ぬ”などという点も同じで、こうしてみるとロメロの創出したゾンビと吸血鬼には、意外と共通点があることに気付かされます。
『ステイクランド 戦いの旅路』(2011年公開)では日中に行動できないという点以外はほとんどゾンビのような吸血鬼が登場しますし、『ロンドンゾンビ紀行』(2012年公開)では、登場人物の老人がゾンビを見て「あれはヴァンパイアだ。武器になるのは十字架と銀とニンニクと、聖水とクリストファー・リーだ」と発言しています。もっとも、ヴァンパイアに対抗するつもりならドラキュラ伯爵役のクリストファー・リーではなくて、ヴァン・ヘルシング役のピーター・カッシングを呼ばないとダメだと思うのですが……。
ともあれ、他にも『NOTLD』は“人肉を食う”“自我がなくよろよろとさまよい歩く”“頭部を破壊すると動かなくなる”などといった現代ゾンビの基礎となる数々の特徴も生み出しています。
しかし、この新たなゾンビ像を確立した『NOTLD』は一部のホラーマニアの間でカルト的な人気を得たものの、興行的に成功したとはいえませんでした。“現代のゾンビ像”がホラーマニア以外の一般層にまで広まるのは、さらに10年の月日が必要だったのです。
そんなとき、いち早くロメロの才能に気づいた人物がいました。『サスペリア』(1977年公開)『フェノミナ』(1985年公開)などで有名なイタリアンホラーの巨匠、ダリオ・アルジェントです。アルジェントはロメロに共同出資を呼びかけ、その結果完成したのが『ゾンビ』(1978年公開、原題『Dawn of the Dead』)でした。『NOTLD』の続編である本作は150万ドルという低予算ながら世界中で大ヒットし、これによってウーウーとうめきながらさまよい人を襲う、“現代のゾンビ像”がようやく世間一般に深く浸透したのです。
余談ですがロメロは『ゾンビ』以前は自身の映画に登場させた歩く死体を“リビングデッド”と呼び、ゾンビという呼称は用いていなかったようです(『NOTLD』の登場人物もゾンビのことを“グール”と呼んでいました)。しかしアルジェントが『Dawn of the Dead』の国際版タイトルを『ゾンビ』とし、大ヒットしたことを受けてロメロ自身も以後ゾンビという呼称を用いるようになったとのことです。
恐怖度
☆☆★★★
<感想>
怖いというよりはゾンビの古典的起源の作品としてみれば楽しめる。終始白黒映画である。