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吸血鬼ゴケミドロ

吸血鬼ゴケミドロ

 

この後に出たトビー・フーパースペースヴァンパイアという作品の吸血鬼が砂になる演出がそっくり。トビーの方は砂が吹き飛びますがw

作品紹介
吸血鬼ゴケミドロ
  • 1968年日本映画
  • 監督:佐藤肇
  • 製作:猪股尭
  • 出演:吉田輝雄、佐藤友美、北村英三、高橋昌也、高英男、加藤和夫、金子信雄、楠侑子、山本紀彦、キャシー・ホーラン

<ストーリー>

羽田を飛び立った旅客機は、空中でまばゆい光を放つ謎の飛行体と遭遇し、見知らぬ山中に不時着した。奇跡的に生き残った乗客の中には、暗殺者・寺岡の姿があった。寺岡は、生き残りの乗客を隠し持った銃で脅し逃走するが、岩陰に着陸しているオレンジに輝くUFOを発見、吸い込まれるように中に入っていく。寺岡の身体に憑依する恐るべき宇宙生物ゴケミドロ・・・。

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登場人物

【航空会社関係者】

機長

無線で時限爆弾を持ち込んだ客がいると聞いている。寺岡にハイジャックされ銃で脅されている。寺岡の命令に応じ沖縄へ進路変更したが、上空で宇宙船と遭遇して旅客機の操作ができなくなり山中へ不時着したが死んでいる。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=EWX3rKpelUs

杉坂英

副操縦士。無線で時限爆弾を持ち込んだ客がいると聞き客のカバンチェックをしている。旅客機が不時着後に松宮が勝手に機外へ出て行ったため危ないので追いかけ助けている。ゴケミドロの正体と宇宙生物について百武に催眠術をさせた。途中、宇宙生物を確認するためニール夫人を生贄にしようとしてライフルで右腕を撃ち抜かれている。終始ゴケミドロに襲われそうになるも朝倉と行動を共にして逃げ切った。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=y0qDqnynRdw

朝倉かずみ

スチュワーデス。旅客機が不時着後、寺岡が機外へ脱出するための人質として利用された。寺岡がゴケミドロに寄生される一部始終を見ており、百武から催眠術で状況を話している。常に杉坂の傍に付き彼を励ましていた。終始、杉坂と行動を共にしている。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=y0qDqnynRdw

【金持ち権力者たち】

真野剛造

憲民党の議員。次期総理大臣候補。酒と女が好き。徳安の兵器製造会社から今まで10億の金を受け取っている。元々、徳安と大阪の兵器製造会社へ行き総裁選の準備資金3億円をもらい国防省に圧力をかけて兵器を国に買わせる予定であったが本心ではない。徳安からもらったウィスキーを飲んだため喉が渇いて水を欲っしていた。他人を生贄にして宇宙生物の存在を確認させろと提案し、松宮を生贄にしている。ニール夫人と一緒に機外へ逃げ出している。追って来たゴケミドロに寄生された寺岡の前にニール夫人を差し出して自分一人逃げて旅客機へ戻り、杉坂と朝倉を機外に追い出して機内に閉じこもっている。ゴケミドロに寄生された佐賀に血を吸われ死んでいる。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=y0qDqnynRdw

徳安

大阪の兵器製造会社の重役。金のために真野に近づき、出世のため妻を犠牲にしている。権力者に弱い。機内で見つけたウィスキーを真野に渡して、真野の兵器製造会社に対しての本心を試している。ゴケミドロに寄生された寺岡に血を吸われて死んでいる。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=y0qDqnynRdw

徳安法子

徳安の妻。あまり話さず口数は少な目である。真野の好意をわかっており、出世のために売られた夫の前で堂々と不倫している。自身を出世のため真野に売った夫が死んだ時はそれなりに悲しんでいた。ゴケミドロに寄生された寺岡に捕まり、一緒にUFO内へ連れて行かれゴケミドロに操られている。ゴケミドロが地球に来た目的を話す媒体として使用され、使用後はミイラの様な状態となって死んでいる。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=7VesGOHBoQU

【科学者と医療従事者】

佐賀敏行

大学で宇宙生物学を研究している科学者。宇宙生物が人間が戦争をしている隙に地球を侵略をしようと考えてると陰謀論と宇宙生物実在論を唱えていた。寺岡の体外に避難したゴケミドロが次の宿主として寄生し、真野の血を吸って殺している。杉坂と朝倉を追いかけたが岩場から落ちて来た落石で転がり落ちている。UFOに戻っており、ゴケミドロが体外に出て砂になって死んでいる。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=EWX3rKpelUs&t=158s

百武

精神科の医者。喫煙家。極限状態におかれた人間の反応に興味がある。いちいちタイミングの悪い状況で人を見下した発言をしている。吸ったタバコをポイ捨てしたがガソリンに引火させていた。寺岡の動向を知るため朝倉にロウソクで催眠術を施している。催眠術で朝倉の話した内容に動揺した松宮に迫られ崖から足を踏み外して落ちている。生きていたが、崖の落ちた先でゴケミドロの寄生された寺岡により血を吸われ死んでいる。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=y0qDqnynRdw

【その他】

松宮

小型の時限爆弾を旅客機に持ち込んだ自殺志願者。世の中が面白くないため、警視庁へ嘘の予告書を送っている。カバンの中に変な絵を2枚入れていた。勝手に機内から出て岩場の方へ走り出したため杉坂より危ないため追いかけられ助けてもらっている。百武が朝倉に施した催眠術の内容に動揺して百武に食い寄って崖から落としている。周りから百武を崖から落とした罰として機内に監禁されていた。真野が生贄を用いて宇宙生物の存在を知りたいと提案したことにより、機外のゴケミドロに寄生された寺岡のいる所へ生贄として放り出されたが岩場に隠していた小型の時限爆弾を取り出すも誤爆させ死んでいる。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=y0qDqnynRdw

ニール夫人

1週間前ベトナム戦争で夫が死んで未亡人となっている。夫の遺体と再会するため岩国の米軍基地に行くところだった。戦争反対論者。尚、夫は見方のナパーム弾を浴びて死んでいる。不時着した旅客機内のわずかな水を全て飲んでしまい徳安に激ギレされていた。夫が死んだ状態に似ていた寺岡の状態を見て生存者らに一緒に助けようと叫んでいた。途中、ライフルで杉坂の右腕を銃撃して宇宙生物の生贄になる事を拒否している。真野と一緒にライフルを持って機外に逃げ出している。追って来たゴケミドロに寄生された寺岡により血を吸われ死んでいる。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=y0qDqnynRdw

【テロリスト】

寺岡博文

テロリスト。ブリタニア大使の暗殺をした犯人。ハイジャックをしている。ライフルの入ったカバンを持って搭乗していたがカバンを持っていないと嘘を付いていた。変なサングラスをしていた。ハイジャックの際に機長へ沖縄へ進路変更しろと銃を突き付けて命令している。無線を壊している。旅客機の不時着後、朝倉を人質にとって外に出たところオレンジ色に発光するUFOを発見し、UFO内で浮遊するゴケミドロに寄生されている。崖から落ちた百武の血を吸い殺し、旅客機内に運ばれた後に徳安の血も吸い殺している。徳安法子を捕まえUFOへ連れて帰り、ゴケミドロの媒体とさせている。以降、松宮を追い回して殺し、ニール夫人の血を吸って殺したが、最終的に杉坂からガソリンをかけられてジッポの火を引火させられ焼かれている。体外にゴケミドロが避難したあとは砂の様になって死んでいる。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=y0qDqnynRdw




豆知識

【ブリタニア大使暗殺について】

昭和43年8月5日の東邦新聞の夕刊で取り上げられている。東南アジア平和会議出席途中に建物の入口でライフル銃で狙撃され頭部貫通で即死したとされる。

ゴケミドロ

宇宙生物。人間の体に寄生(主に額を割って脳に侵入)して血を吸う吸血鬼にさせている。以前から地球侵略を計画していた。目的は人類を皆殺しにする事だと語っている。見た目はメタルスライム。寄生から解放された人間は砂になって死ぬ。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=y0qDqnynRdw

UFOのタイプ

オレンジ色のアダムスキー型。

JA307号

羽田空港から伊丹空港へ向かっていた旅客機。実際の機体はJA 8012とロゴが入っている。AIR JAPANという航空会社である。

撮影場所

京都の太秦で撮影されている。



おまけ

 

高 英男(コウ ヒデオ)によるインタビュー

→作中で寺岡役として出演している

<経歴>

1918年生まれ。

1948年有楽座においてデビュー。戦後のシャンソンブームの立役者の一人として、一世を風靡。

NHK紅白歌合戦にも1956年(第3回)~1961年(第12回)まで通算7回出場。

映画出演は、1957年『お転婆三人姉妹』以降、『暗黒街の顔役 十一人のギャング』『大悪党作戦』など日本離れした風貌・パリ仕込みの物腰とも相俟って、ギャング役などが多い。

1970年代以降は本業の歌手活動に専念、現在も定期的にリサイタルを行なっている。

<受賞>

1989年 紫綬褒章

1995年 勲四等旭日綬章受賞

<出演のきっかけと裏話>

出演のきっかけは佐藤監督がワンマンショーを観に来て声をかけられたとされる。衣装は全部自前で用意している。シャンソンがメインのため映画出演は遊びとして間で出演している。佐藤監督とは手紙やワンマンショーの客として付き合いがあった。


鷺巣 富雄(サギス トミオ)によるインタビュー

別名:うしおそうじ

<経歴>

1920年東京市芝区生まれ。1929年東宝特技課線画係入社、円谷英二氏の下で働く。1948年東宝長期大争議中にアルバイトとして漫画を描くうちにプロになってしまい、1951年《うしおそうじ》に改名。1960年漫画家を廃業、《ビー・プロダクション》を設立し、映画の特撮、アニメを手掛ける。1963年からテレビ制作に進出、『マグマ大使』『スペクトルマン』『怪傑ライオン丸』といった現在まで語り継がれる名作を次々と送り出す。

<ゴケミドロの製作の裏側>

元々の宇宙生物の基地設定は宇宙ではなく、地球の海底であったとされる。海底からUFOが出てくる撮影構図も神奈川県南東部にある三浦岬から出てくる場面として考えられていた。宇宙生物の姿もメタルの液状体でなく、緑色の海草が固体化した姿であり海草が捲れると上半身が目で下半身が口になっている設定であった。目的に応じて目から光線が出て相手を倒したり、言葉の種類によって口から話す言語を使い分けるとされる。また、当初の物語の設定として子どもとゴケミドロの交友の物語にしようとしていた。虚像実像変換機をゴケミドロから子どもに渡す描写も考えていたとされる。

※虚像実像変換機とは魔法瓶の様な形の機械で、写真で撮ったお札を現物にする装置である。

<ゴケミドロの名前の由来>

コケ+ミドロであった。京都のコケ寺とミドロガ池が何とも言えない雰囲気の場所であり、鷺巣氏が気に入ったのが由来である。

※映画でコケがタブーとされる理由は”コケる”からの縁起が悪いネーミングのため。

 

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恐怖度

☆☆★★★

<感想>

薄気味悪い昭和の日本ホラー。タスマニアデビルは結構好き。また、ボーナストラックで、この作品を掘り下げた話が面白かった。