シャイニング

シャイニング

 

原作は1977年に出版されたスティーヴン・キングの同名小説。劇場公開版にはいくつかのバージョンがあり、それぞれが前のバージョンよりも短くカットされ、合計で約27分がカットされた。公開当時の反応は賛否両論で、スティーヴン・キングは小説との乖離を理由にこの映画を批判した。しかし、現在では、ホラー映画の中でも最も偉大で影響力のある作品の一つとされ、ポップカルチャーの定番となっている。2018年、本作は「文化的、歴史的、または美学的に重要である」として、米国議会図書館によってアメリカ国立フィルム登録簿に保存された。 39年後の2019年11月8日には、続編の『ドクター・スリープ』が公開された。尚、スタンリー・キューブリックの作品を気に入らなかったスティーヴン・キングTVドラマで1997年に同名作品を監修しているとされる。

作品紹介
シャイニング
  • 1980年アメリカ映画
  • 監督:スタンリー・キューブリック
  • 製作:スタンリー・キューブリック
  • 製作総指揮:ヤン・ハーラン
  • 出演:ジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル、ダニー・ロイド、スキャットマン・クローザーズ、バリー・ネルソン、フィリップ・ストーン、ジョー・ターケル、アン・ジャクソン、トニー・バートン、リア・ベルダム、ビリー・ギブソン、リサ・バーンズ、ルイーズ・バーンズ

<ストーリー>

コロラド州のロッキー山上にあるオーバールック・ホテル。小説家志望であり、アルコール依存症を患っているジャック・トランスは、雪深く冬期には閉鎖されるこのホテルへ、管理人としての職を求めて、妻のウェンディ、一人息子のダニーを引き連れて訪れた。 支配人のアルマンは、「このホテルは以前の管理人であるチャールズ・グレイディが、孤独に心を蝕まれたあげく家族を斧で惨殺し、自殺したといういわく付きの物件だ」と語るが、ジャックは気にも留めず、家族と共に住み込むことを決める。ダニーは不思議な能力「シャイニング」を持つ少年であり、この場所で様々な超常現象を目撃する。

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登場人物

【トランス一家】

元々ボールダーに住んでいた。オーバールック・ホテルの職員宿舎に泊ってひと冬ホテルの管理業務を請け負っている。

ジャック・トランス

トランス家の父。作家志望。アルコール依存症。目玉焼きが好物。ホテル内の”コロラド・ラウンジ”でタイプライターを持ち込み新作の著書を執筆にあたっている。ホテルの壁へテニスボールを当てて遊んでいる。執筆に集中できないためウェンディにタイプライターの音が聞こえたら近づくなと絡んでいる。作中でロイドの幻覚を前にバーボン・ロックを好んで飲んでいる。徐々に精神に異常をきたしており、悪夢で妻と息子を殺す夢を見たと妻ウェンディへ打ち明けている。ウェンディからダニーの首のアザが出来た原因が237号室のバスルームに潜んでいる女だと聞き、様子を見に行っている。237号室のバスルームに裸の若い女がいて、下心で抱いてキスをしたが正体が全身が腐ったババアであることがわかり外鍵をかけて逃げ出している。ゴールド・ルームでチャールズの幻覚と遭遇して、彼からダニーの超能力でディックを呼びつけていると知らされている。チャールズからの知らせを元に雪上車や無線を使えなくしている。その後、ウェンディと口論になり木製バットで頭を殴られ調理場の倉庫へ閉じ込められている。グレイディの霊から調理場の倉庫の外鍵を開けてもらい斧を持って職員宿舎の扉(玄関とバスルーム)をぶち割っている。バスルームに隠れていたウェンディから包丁で手を反撃された。ホテルへ訪れたディックを斧で胸を割り殺している。逃げ出したダニーを追っ庭のオーバールック・ヘイズへ追いかけたが捕まらずにウェンディと一緒に雪上車で逃げられている。最終、オーバールック・ヘイズ内で狼狽した後凍死している。オーバールック・ホテルで1921年7月4日に行われた舞踏会での記念写真に写っている。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=WDpipB4yehk

ウェンディ・トランス

トランス家の母。幽霊や恐怖映画が好き。喫煙家。ホテル内で木製バットを持ち歩きながら家事を行っている。夫ジャックから著書の執筆の邪魔だと言われ絡まれている。電話が大雪の影響で通じないため無線で連絡を外部と取り合っている。ダニーの首にアザを作った原因が237号室のバスルームにいる女だと聞き、ジャックに相談した上で向かわせている。ジャックが精神に異常をきたして自分自身を責め立てるため口論となり木製バットを振り回してジャックの頭を殴り倒して調理場の倉庫へ閉じ込めている。調理場の倉庫から出て来たジャックから職員宿舎のバスルームに追い詰められたが持っていた包丁で反撃している。その後、ジャックとダニーを追ってホテル内を散策したが死者の幻覚を見て半狂乱となっている。庭のオーバールック・ヘイズから出て来たダニーと合流して雪上車で逃げ出している。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=U0aglVxde1M

ダニー・トランス

トランス家の長男。5歳。超能力を持っているガキ(シャイニング)。超能力についての詳細は両親に話していない。能力を使う時に痙攣して白目を剝いている。家族からは”先生”と言われている。もう1人の話し相手トニーがいる。ホテル内のダーツで遊んでいる。チョコアイスやポテトフライとケチャップの組み合わせが好き。霊視でグレイディの娘や血が溢れるホテルのフロアを目撃している。テレパシーでディックの考えを読み取っている。ホテル内をペダルカーや三輪車で走り回っていて度々グレイディの娘を目撃している。237号室に入り首にアザを作って帰ってきている。途中、トニーに人格を乗っ取られていた。気の狂ったジャックから逃げるため調理棚に隠れていたがジャックが訪れたディックを殺したため庭のオーバールック・ヘイズへ逃げ出している。ジャックをまいてウェンディと合流し雪上車で逃げ出している。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=CMbI7DmLCNI

【オーバールック・ホテル関係者】

冬場の雪が降るシーズン前に客や従業員はそそくさと帰るとされる。

スチュアート・アルマン

ホテルの支配人。トランプそっくりである。秘書スージーがいる。ジャックへ冬の5か月間従業員がいないホテルをボイラーを燃やしてホテル全体に被害が及ばないように暖めて管理するよう仕事の依頼をしている。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=U0aglVxde1M

ビル・ワトソン

ホテル内をスチュアートと一緒にジャックらを案内している。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=EW8-tJEnaGo

ディック・ハロラン

料理長。調理場をウェンディとダニーに案内している。顔芸や台所(キッチン)はキチンとしましょうというくだらないオヤジギャグを発言して愛想笑いされている。テレパシー能力を持っている。ダニーへ超能力者を”シャイニング”だと教えている。237号室の事をダニーに聞かれたが何もないと一蹴している。ダニーより237号室にいた浴室の老婆の様子を”シャイニング”で映像として送られ、心配だったためホテルへ電話を入れたが大雪のため連絡が通じずにいたため飛行機に乗り現地まで雪上車で向かっている。ホテルへ着いたが隠れていたジャックに斧で胸を割られて死んでいる。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=U0aglVxde1M

チャールズ・グレイディ

1970年に自殺したおっさん。”ゴールド・ルーム”のウェイターとして働いており、ドリンクをジャックに誤ってかけてしまったため洗面所で拭いている。スチュアートから事前に事件の事を聞いていたジャックから名前が一緒であったため、以前に管理人をして一家惨殺の後に自殺したと話されたが否定している。ダニーがディックをホテルに超能力で呼び寄せようとしていると報告している。ウェンディがジャックを調理場の倉庫へ閉じ込めたが開放している。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=XnxgYYfIooc

グレイディの娘

1970年に父チャールズから斧で殺された双子の娘。ダニーがダーツをした時に現れ薄ら笑いを浮かべている。後に「一緒に遊ぼうダニー」と言ってダニーの前に現れて消えている。片方の娘が過去にホテルにマッチで放火している。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=CMbI7DmLCNI

ロイド

”ゴールド・ルーム”でジャックの幻覚が生み出したバーテンダー。ジャックへジャック・ダニエルを提供している。ツケ払いを許可したため、ジャック曰くオレゴン州ポートランドで1番のバーテンであると言われていた。いいなりで無機質な対応である。再びジャックが訪問した際に、ジャックから”わたしを噛んだ犬の毛”と言われ”バーボン・オン・ザ・ロック”とすぐ言い当てた。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=tmY4k85_XEE

【その他】

医師

ダニーがオーバールック・ホテルを霊視しバスルームで発狂していたためウェンディが呼んだ医者。ダニーが精神的に不安定なのは、酔ったジャックがダニーへ過去に行ったエピソード(酔って腕の骨を折った)が原因ではないかと当初、虐待を心配していた。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=U0aglVxde1M

浴室の老婆

237号室のバスルームにいるババア。ダニーの首を絞めてアザを作っている。ウェンディからダニーの話を聞きつけたジャックが見に行ったが当初若い女に化けており、ダニーからキスされてからその本性を現して高笑いしている。ダニーより外鍵をかけられ閉じ込められている。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=MjT9KwiZE18

ラリー・ダーキン

(北米公開版のみの出演)

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=EW8-tJEnaGo

この作品ですが、要約するとホテルがダニーの超能力を霊的なエネルギーとして欲しているためジャックを使って取り込もうとする映画です。


 



 

豆知識
ジャケットについて

ジャケットにも採用された、この映画の象徴ともいえる「叩き割ったドアの裂け目から顔を出したジャック・ニコルソンの狂気に満ちた表情」を撮るためにキューブリックはわずか2秒程度のシーンを2週間かけ、190以上のテイクを費やしたとされる。作中では三匹の豚の話をしながら狼役として斧で扉をブチ破っていた。

ポスター案

本作のポスターは、ソール・バスに依頼された。300案の試行錯誤からキューブリックが選んだのは、THEの文字に少年の顔が点描された黒文字のロゴだった。しかし、これもワーナー・ブラザースに却下され、公開時にはドアから顔を出すニコルソンと恐怖に慄くデュヴァルの写真を使ったものが使用された。ただし、予告編には当時のポスター画が使用され、タイトルの字体もポスターに採用された。

オーバールック・ホテルについて

本作の舞台となるオーバールック・ホテルの外観として使用されたのは、アメリカオレゴン州にあるフッド山の南側に建つティンバーライン・ロッジである。内装は、カリフォルニア州ヨセミテ国立公園アワニー・ホテル(現在はマジェスティック・ヨセミテ・ホテルと改称)をモデルとしている。外観に使われた当ロッジは原作通りの217号室が実在するため、号室の変更を要求し、映画では237号室に変更された。作中での設定は1907年に着工して1909年に完成している。以前はインディアンの墓地であったとされる。庭にはオーバールック・ヘイズと言われる迷路の様に入り組んだ庭が存在する。

【1970年に起きた事件】

スチュアートの前任者の管理者が冬の間グレイディというまじめな男を雇ったが、勤務期間中に神経が参ってしまった。急に気が狂って斧で家族を殺した。その死体を西側の部屋に隠して自分は猟銃を口に咥えて自殺したとされる。警察は昔でいう”キャビン・フィーバー”で一種の閉所恐怖症だと長い間閉じ込められていたため断定した。

※グレイディは妻と2人の娘がいたとされる。

【ドナー隊の遭難した話】

シエラ山脈でドナー隊という幌馬車隊が雪に閉じ込められてひと冬を過ごしている。そして生きるために仲間の人肉を食べたとされる。

シャイニングの能力

この”シャイニング”とは個体別にある超能力の事であるが、発動時に耳鳴りの様な音を発する表現がされている。

調理場の冷蔵庫内

リブ・ローストが15匹分。ハンバーガーが160キロ。七面鳥やチキンもサーロイン・ステーキもポーク・ローストもラムもある。

調理場の倉庫

乾燥食品や缶詰類は全部ある。フルーツ、野菜、魚、肉、各種の穀類の缶詰も。ポースト・トースティー、ライス・クリスピー、オートミール、小麦のクリーム、黒砂糖12壺、乾燥ミルク60箱。乾燥ピーチ、乾燥アプリコット、乾燥レーズン、乾燥プルーンがある。

無線

オーバールック・ホテルのスチュアートの部屋が”KDK12”で州の森林警備隊の無線受付が”KDK1”となっている。

REDRUM(レッドラム)の意味

”MURDER(殺人)”の逆綴りである。作中では赤い口紅で扉に書かれているのをダニーが透視している。

ジャックの新作

タイプライターに”仕事ばかりで遊ばないジャックは今に気が狂う”と連続で書かれている。ということは初期からジャックの気は狂っていた事がわかる。

 



原作との違い

巨匠スタンリー・キューブリックによる映画化で世界的に著名となった同作だが、彼はキングの原作を大幅に変更しており、殆ど別作品に近い趣になっている。これについて原作者であるキングは激怒し、同作とキューブリックへの批判を繰り返し、後に「映画版へのバッシングを自重する」事を条件にドラマ版で再映像化を試みた程であった(ただし、キューブリックの死後は再び映画版への批判を繰り返している)。

猛吹雪に閉ざされたホテルで狂気に囚われた男が家族を惨殺しようとする、という大まかな流れはほぼ原作通りである。一方、原作では邪悪な意志を持つ巨大な存在であるホテル自体が、過去の出来事なども含めて圧倒的な存在感をもって描かれているのに対して、映画ではそれが薄い。ただし、シャイニングによる怪奇現象については劇中の序盤にて語られる「かつてここはインディアンの墓地だったが、反対を押し切って建設した」という言及などから暗に「アメリカ人がインディアンに行ってきた悪業への報復」であるという事が示されている。ホテルの内装などはネイティブ・アメリカンの様式を引用している事が143分版の追加カットの会話に登場している。 更に、原作ではホテルの邪悪な意志がジャックを狂気へと導くのに対して、映画ではホテルがグレイディを遣ってジャックを狂気に導く描写は存在するものの、ホテルとは関係なく仕事のプレッシャーや孤独に耐え切れず自ら発狂したともとれる曖昧な描写がなされている。また、ダニーの首を絞めた者の正体が明らかにされていない。これらは作品の非常に重要な部分であるため、原作と映画の印象を決定的に異なるものにしている。原作ではウェンディもダニーもジャックの発狂はホテルのせいだということを理解しているが、映画版では不明である。

原作では大きな役割を果たす、ダニーの「シャイニング」や、同じ能力を持つ料理人ハロランもあまり効果的には取り上げられていない。

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まとめ

キューブリックと原作者との対立が見られた同作品だったが、商業的には大きな成功(制作費の数倍の収益)を収め、更にキューブリックの知名度を高める結果となった。娯楽作品であるが為に賞レースにこそ絡まなかったが、役者の優れた演技や、キューブリックならではの恐怖演出と映像美で高い賞賛を受け、数多くの作品でオマージュを受けた。今日では例えば地上波TV放送される際に「★ホラーの金字塔★スタンリー・キューブリックの傑作」(日本テレビ2020年6月30日の映画天国)などと表現され、もはやホラー映画の偉大な古典という域にまで達している。

キングの批判自体も、こうした映画版の影に小説版が隠れるという構図が固まるに連れて硬化していき、1997年のドラマ版で最高潮に達するに至った。

ロンドン大学の研究チームが考案した数学的計算式による評価では、サイコのシャワーシーンと並んで「完璧なホラー映画」の一例であるという。

 

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