ダーク・ハーフ

ダーク・ハーフ

 

スティーヴン・キングはかつて幾つかの作品をペンネームであるリチャード・バックマン名義で出版していた。バックマン名義の多くの作品はキングの作風に比べて暴力的であり、アクション性の強いものであった。バックマンの正体がキングであると発見された後に、彼は本作を書き上げたとされる。

キーワード:スズメ

作品紹介
ダーク・ハーフ
  • 1993年アメリカ映画
  • 監督:ジョージ・A・ロメロ
  • 原作:スティーヴン・キング
  • 製作:デグラン・ボールドウィン
  • 製作総指揮:ジョージ・A・ロメロ
  • 出演:ティモシー・ハットン、エイミー・マディガン、マイケル・ルーカー、ジュリー・ハリス、ロバート・ジョイ、ケント・ブロードハースト、ベス・グラント、ルターニャ・アルダ、トム・マーデロシアン、ラリー・ジョン・メイヤーズ、ロイヤル・ダノ、グレン・コレリダー、パトリック・ブラナン

<ストーリー>

売れない純文学作家ボーモントは、ジョージ・スタークというペンネームで過激なバイオレンス小説を発表する売れっ子作家でもあった。 しかしスタークの名前を葬った直後、ボーモンドの周りで猟奇的な連続殺人事件が起こり始める。驚くことに残虐な殺人犯は、存在するはずのないスタークだった。 ボーモントにスタークは、再びスターク名義の作品を執筆するように迫る。

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登場人物

【同一人物】

ジョージ・スタークの小説は血なまぐさく、暴力的な作品として発表。ベストセラー作家として時代の寵児となっていた。しかし、サドはもともとの専門執筆分野であった純文学を本名で執筆したいという思いに駆られ、雑誌『ピープル』にてすべてを公表することを決意する。つまり、「ジョージ・スタークとサド・ボーモントは同一人物」であることを明かし、自らのペンネームを埋葬することにした。スタークのニセの墓にはこう記された。「あまりいいやつではなかった」。それがサドと彼の邪悪な半身(ダーク・ハーフ)との戦いの始まりだった。サディアスが書いた別名のペンネーム小説に出てくる存在であるジョージ・スタークが作中で現実に現れ、サディアスの身の回りで殺人事件を起こしている。サディアスとジョージは指紋が同じである。鉛筆を持つとジョージ・スタークの思考を文章に書き出し共有することができる。

 

サディアス(サッド)・ボーモント

1968年、11歳の時に頭痛に悩まされており検査の結果、脳腫瘍の摘出手術を受けたが、なんとその腫瘍は人間の器官だった。現在34歳。大学教員として働いている。よくつまずく。純文学としての自らの名で出版している本が売れなかったが、ペンネーム(ジョージ・スターク)で書いた作品がヒットしている。フレッドからゆすられた事からピープル誌に同一人物であるとニセの墓を過去に腫瘍を埋葬した場所へ作り公表している。その後、ジョージ・スタークが現実世界に現れている。指紋や外見が同じのジョージ・スタークの犯行に犯人だと終始疑われていた。終盤、キャッスルロックの別荘でジョージ・スタークと対峙しており、文章で負けそうになったが物理(鉛筆)で攻撃して怯ませている。最終、スズメの大群によりジョージ・スタークが死者の世界へ連れ去られたため助かっている。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=lDMkoIVBoog

ジョージ・スターク

サディアスの邪悪なもう1人の姿。昔、サディアスから摘出された元々は双子になるはずであった腫瘍を器として、サディアスの彼を存在させたいという意志の力が呪文となり生み出された存在である。ミシシッピ州オクスフォード在住。怒った時に南部訛りが出る。車は黒い”トルネード”に乗っている。ホーマーをヒッチハイクして殺し、車を奪って逃走している。その後、ニューヨークのフレッドを始めとする数々の身内の人間を殺している。サディアスへコンビニに電話をして次のジョージ・スターク作品を書くように指示している。新作を書かないと整合性が失われるため死んでしまうとされ徐々に全身の腐食が進行している。そのためサディアスを直接殺せないでいる。キャッスルロックの別荘でサディアスと戦ったが、最終スズメに全身を食われて死んでいる。死体ごとスズメに死者の世界へ連れて行かれた。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=WtOr_szWmm0&t=513s

【ボーモント家】

サディアスとリズの間にはウィリアムとウェンディという双子の息子がいる。湖の近くに別荘を持っている。別荘の書斎で鉛筆を使用して初めてジョージ・スタークの原稿を書き上げたとされる。ドナーというベビーシッターを雇っている。

 

リズ・ボーモント

サディアスの妻。サディアスからフレッドの相談を受けている。サディアスの良き理解者でパートナー。サディアスが時々下品な言葉を使うのを気にしている。後半に双子の息子と一緒にジョージ・スタークに別荘で拉致されていたが、アラン・パングボーン保安官により助けられている。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=lDMkoIVBoog

シャイラ・ボーモント

サディアスの母。サディアスの頭痛の原因が当初、長時間暗い部屋で小説を書いているからだと思っていた。Dr.プリチャードからの勧めでタイプライターをサディアスに買ってあげた。墓守のディガーから後に死んだと報告されている。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=oO_1e9aAvfc

【キャッスルロック警察】

 

アラン・パングボーン保安官

キャスルロック警察署勤務。妻アニーと息子トッドがいる。ボーモント家と親しい。ディガー・ホルトから通報を受けてホームランド墓地へ向かい、ニセの墓から何者かが出た報告を受けたが軽くあしらっている。巡回中のマーティよりホーマーの遺体発見の無線を聞き向かっている。ホーマーの車とフレッドの遺体現場からいずれもサディアスの指紋が見つかり、サディアス宅へ事情聴取へ向かっており、アリバイ確認をしている。その後、サディアスから一連の連続殺人犯がジョージ・スタークの仕業であると連絡を受けたが当初まともに取り合おうとしなかった。ボーモント夫婦とニューヨーク市警にも一緒に同行している。誤判断でサディアスを殺人罪で逮捕しようとしていた。最終、キャッスルロックの別荘へ単身で乗り込み、リズを助けて2階のジョージ・スタークがスズメに食われているのを目撃している。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=lDMkoIVBoog

マーティ

アランの部下でホーマーの遺体発見を知らせている。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=lDMkoIVBoog

【コウリ―夫婦】

離婚調停中で別居中。だが仕事では相棒である。ちなみに離婚理由はサディアス・ボーモントとジョージ・スタークの双方の好みの問題である。

 

ミリアム・コウリー

ジョージ・スタークの小説が嫌いであり、サッド・ボーモントの小説が好み。ジョージ・スタークに自宅へ侵入され、帰宅と同時にドア枠に顔面を打ちつけられ負傷している。その後、ジョージ・スタークにサディアスへ電話しろと指示されながら剃刀で左頬と首を切り裂かれながら留守電にメッセージを残して死んでいる。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=xoRXgE6j9po

リック・コウリー

サディアスからジョージ・スタークの偽名を公表する事に対し了承している代理人。ジョージ・スタークのファンである。ジョージ・スタークが自宅へ窓清掃業者を殺して侵入されており、潜んでいた所を彼から首を剃刀で切られ死んでいる。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=k0XGlpR6iLc

【ピープル誌撮影関係者】

 

マイク・ドナルドソン

ハゲポニーテール。ニューヨーク出身でピープル誌の編集者。サディアスの別荘へ一緒に行き”ジョージ・スタークとサド・ボーモントは同一人物である”という記事のインタビューをしている。マンションの自宅へ帰宅途中に、マンション内が停電となりジョージ・スタークに剃刀で襲われ、倒れた所を顔面を蹴り殺された。尚、額とポニーテールを剃刀で切られている。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=aAg3LPuwfJM

ディガー・ホルト

ホームランド墓地の墓守。幽霊の目撃をよくしているのかキャッスルロック警察へよく通報している。カメラマンのホーマーからジョージ・スタークのニセの墓石を立てると言われ引き受けている。サディアスらが訪れた際に、サディアスの両親の墓の隣の区画が空いていた(本来サディアス用)ので、そこにジョージ・スタークのニセの墓石を立てたと報告している。ピープル誌の撮影翌日にジョージ・スタークのニセの墓石から何者かが出た形跡があったためアラン・パングボーン保安官へ報告している。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=lDMkoIVBoog

ホーマー・ガマチ

カメラマン。左足が義足の変人。ニセの墓石を作るのがアメリカ式のシャレだとしてディガーに依頼して作らせている。サディアス夫婦の写真をニセの墓石の前で撮っている。尚、写真を撮る際にスコップとピッケルを持たせている。墓から甦ったジョージ・スタークにヒッチハイクをされ、最初に襲われた犠牲者となっている。義足で何度も殴られ死んでいる。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=lDMkoIVBoog

【医療従事者】

 

Dr.プリチャード

サディアスのかかりつけ医であり脳外科医。小説志望のサディアスへタイプライターを買うことを勧めた。サディアスの検査の結果脳腫瘍を発見し、開頭術を行い腫瘍を摘出した。サディアスが再び現れて音が聞こえるため検査を行った。サディアスの手の包帯が出血していたため、包帯を巻きなおそうと手を洗いに行ったところを潜んでいたジョージ・スタークに剃刀で首を切られ殺されている。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=oO_1e9aAvfc

ヒラリー

Dr.プリチャードのオペに同席していた看護師。サディアスの脳腫瘍を見て吐きそうなそぶりをしてオペ室から叫びながら出て行った。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=jr8BKtgMJA0&t=16s

 

【その他】

 

レジー・デレセップス

サディアスの勤務先に勤めている民族学専攻の教員。サディアスの良き理解者。事情聴取に来た警察の話をサディアスにしている。サディアスが大学からバンガーの病院へ向かう時に変装セットを渡してあげている。サディアスから腫瘍とジョージ・スタークの話を聞いて返答している。民俗学でのスズメの意味を教えてあげている。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=lDMkoIVBoog

フレッド・クローソン

ニューヨークに住んでいる。サディアスがジョージ・スタークという偽名を使っているのを出版社の女から事前に聞いており、正体がわかった上で著書”悪徳マシーン”にサインを求めている。サディアスに対してジョージ・スタークの偽名を公表されたくなければ金をくれとゆすっていた。ジョージ・スタークにより舌を切られて、性器を切り取られて口に突っ込まれ死んでいる。後に警察により家宅捜査され死体を発見されている。家賃を2ヶ月滞納していたらしい。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=lDMkoIVBoog

 




 

豆知識
【サディアスのオペ】

バンガーの病院で頭蓋骨上部左前方を5cm切開して開頭術を施している。脳には血溜まりができており、元々サディアスの双子と思われる臓器(眼球、鼻の一部、歯が2本(内1本は小さな虫歯あり))が発見された。約1年で急に成長したとされる。オペ後に病院へスズメの大群が現れていた。

※尚、摘出した腫瘍はサディアスの両親が事情を聞いてホームランド墓地に埋葬している。

【双子について】

作中ではDr.プリチャードがサディアスへ以下の説明をしている。

もと双子の人間は大勢いる。我々の多くは初めは双子で10件に2件以上が該当する。強い胎児が弱い胎児を吸収して1人として生まれる。サディアスの場合、吸収が完璧でなく手術で取り除いている。

ハイブロー

意味:学問・教養のある人。知識人。また、知的で高級なさま。

ヤッピー

ヤッピー (yuppie, YUP)とは、「young urban professionals」の略で、若手で 都市 住民たる エリート サラリーマン のこと。金融アナリストや弁護士・医師など専門的職業をもつ人のことを指す。

悪徳マシーン

主人公が悪党アレクシス・マシーンである小説でジョージ・スタークの著書。「9時にやってきて10時にはもう股を開いてた」がマシーンのセリフである。29ドルで売られている。

【マイクの朗読】

”マシーンが剃刀を振り下ろすとー”

”革砥が舌のように床に落ちた”

”奴を刻め ジャックが命じた 血があふれるのを見たい”

”ハルステッドは目をかたく閉じたが”

”剃刀がまぶたを切り裂き眼球が弱い音を立てて弾けた”

”俺は戻って来た”

”死の世界から甦ったんだ俺に会えて うれしくないのか”

ジョージ・スタークとの始まり

キャッスルロックの別荘(後の終着の町”エンズヴィル”とされている)で鉛筆を手に取ったサディアスが、書き直しなしに一気に16ページを書き上げたことから始まっている。執筆の際には鉛筆を使用しており、商品名は”ブラック・ビューティー”である。作品を書くときはタバコと酒を飲みながらである。彼が現れる時にはスズメの鳴き声がするとされる。

ホーマーの車

赤い軽トラ。車のナンバーは”689 T”である。ホーマーの殺害後に中古車屋で発見されている。

ジョージ・スタークの車

黒いトルネード。”イカしたゲス野郎”というロゴがトランクに入っている。ナンバー”1ALJ024”である。ホーマーの車が発見された中古車屋から盗まれている。

【夢の中の詩】

今夜 君はー

寂しくないか

この世は舞台

僕たちは皆 役者

運命は僕に君を愛させ…

 

ドジの丸焼き

七面鳥の丸焼きの事。”ドジの丸焼き”は終着の町(エンズヴィル)で、あらゆる線路が終わる所での呼び名。

脳腫瘍の症状

現実にない音や匂いを感じる。サディアスの場合、鳥の音であったとされる。

ミリアムの部屋

ニューヨークの住所で西84の109-17Aである。

リックの部屋

ニューヨークの住所で東68の129-23Dである。

マイクの部屋

12Dである。

出版社の女

物語の元凶を生んだオシャベリな女。ジョージ・スタークに殺されている。

民俗学でのスズメの意味

サイコポンプとされる。このサイコポンプとはギリシャ語源で”案内者”を意味する。サディアスの場合は人間の魂をあるべき場所へ導く存在とされる。すなわち、生者の世界から死者の世界へ送る者という意味である。

 

恐怖度

☆☆★★★

<感想>

序盤の脳外科のシーンが気持ち悪いだけ。

 

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