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ネメシス
あと4年でこの世界線に到達します。(現在2023年7月)
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<ストーリー>
2027年、地球上は荒廃し、人工臓器の開発により、サイボーグ化した人間が出現し、暴力がはびこる世界となっていた。ロボット工学関連の犯罪専門のロス警察の捜査官アレックスは、ある捜査で重傷を受け、大々的な人工臓器移植手術を受け、失意の底で痛み止め麻薬に溺れていく。コンピューター・チップの密輸組織に身を落としたアレックスは、彼の心臓に植え付けられた爆弾のために、スイッチを握るボスのファーンズワースの命令に従うしかなかった。盗まれたチップを取り戻すことを命じられたアレックス。チップはアレックスの元恋人ジャードが持っていて、テロリスト集団ハンマーヘッドに売ろうとしていた。アレックスは自分が両者をおびき出すためのおとりであることに気がついた。問題のチップはクローン人間製造工場計画の情報が入っていた。最終目的は全世界の首脳をサイボーグとすり替えることだった。首謀者であるファーンズワース自身もサイボーグだった。
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登場人物
【警察関係者】
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【テロリストたち】
人類の未来のために機械と戦っている。
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【反乱を起こしたサイボーグたち】
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【その他】
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監督アルバート・ピュンのインタビュー
<50本を超える映画を監督できた理由は?>
10歳から映画監督をずっと夢見ていた職業としていた。初めて監督した「マジック・クエスト 魔界の剣」が大ヒットしたため、あちこちから仕事の依頼があった。いつも撮影を楽しみながら仕事をしていた。すべては最初の作品がヒットしたおかげだ。駆け出しのころから多くの映画を監督できた。いくつかの作品は大きな成功を収め、その収益を次回作の製作費に回したんだ。私が作りたかったのはアクションSF映画だ。サイバーパンクの世界を描きたかった。だが、「ブレードランナー」に似た作品は嫌だったね。未来的な世界より時代に合ったものがいい。ローテクな世界観を目指した。予算も抑えられるし理にかなっていたよ。SFとアクションの組み合わせを試したかった。サイバーパンクの世界とアクションは相性がいい。このジャンルであれば違和感なく見られるから、数々の風変りなアクションを撮影できた。
<ネメシスの物語について>
陰謀を企てるサイボーグが人間たちの組織に潜り込み本人に成り代わる。人間たちはサイボーグに対抗し組織を立ち上げ、彼らの陰謀を阻止するために戦う。人間たちによるゲリラ組織がサイボーグの陰謀を突き止める。この物語の主人公アレックスはLA市警捜査官でサイボーグを追っている。捜査を続けているうちに彼の意識が変わっていくんだ。自分の仕事に疑いを持つようになった。戦いの中で負傷した体の一部は人工組織に交換される。自分が人間だという確信を持てなくなるんだ。映画の序盤の戦いが原因で彼は体の大半を機械化される。主人公が自らの人間性に疑念を抱く物語なんだ。体の大半が機械であることに葛藤しながらね。
<サイボーグとLA市警捜査官への興味は?>
サイボーグに特別な興味があるわけじゃない。だが、サイボーグが存在する世界には興味があった。「ネメシス」を作ることでその世界を描けるし、アクションシーンや特殊効果なども取り入れられる。当時、低予算の映画で実現するのは珍しかったよ。
<レベッカ・チャールズという仮名をつけた理由は?>
脚本のレベッカ・チャールズとは私の考えた仮名だ。当時、たくさんの映画を撮っていたから、脚本家としては仮名を使うことを勧められた。本人の原案じゃなく、持ち込まれた企画と思わせる。”またアルバートの作品か”と思われないようにね。
<企画が始まった経緯は?>
ずっとアイデアを温めていたんだ。ローテクな世界が舞台のサイバーパンク映画のね。だが物語の仕掛けは工夫を凝らしてる。映画化をまず脚本の草稿を書き上げた。撮りたかったアクションをすべて詰め込んだよ。最初は13歳の少女の視点で描かれる話だった。すべて、その少女を中心に話が進んでいく。そして、ある時に体を手術することになり機械の体になるんだ。彼女はLA市警に命じられ地下活動を探る任務に就く。つまり”サイバーパンク・キッズ”だ。この話の脚本を仕上げてインペリアル・エンターテイメントと話した。”ぜひ映画化したいが条件がある”と言われた。”主人公を少女から大人の男性に変えてほしい”と。それが製作費を出す条件だった。”必要なセットを作れる費用を出す”と。製作に参加したのはアッシュ・R・シャー。彼はインペリアルの社員で私と波長が合ったんだ。製作会社の意見とは合わない部分もあったが主人公を変更する案を受け入れることにした。大衆にウケる映画を会社は望んだ。
<オリヴィエ・グラナーが主役に選ばれた経緯は?>
オリヴィエは主演した映画もあり、「エンジェル・タウン」がある。会社は彼をアクションスターにしようとしてた。アクションシーンがあると知って、彼を主演で出したかったんだ。俳優としての成長にちょうどいいと考えたのさ。主人公が複雑なセリフを話す場面もなかった。オリヴィエにふさわしい役だと踏み、スターにのし上がるチャンスを与えたんだ。私も80年代後半にジャン=クロード・ヴァン・ダムを起用した「サイボーグ」。それが活躍のきっかけになった。
<フランス語圏の俳優との仕事で苦労は?>
最初にヴァン・ダムやオリヴィエと会った時、彼らは流暢に英語を話せなかった。「サイボーグ」ではセリフを変えた。ヴァン・ダムが難しいと感じるセリフは省いたんだ。オリヴィエの場合も同じように書き直したよ。最初は専門用語がたくさん入っていたが、オリヴィエには難しいセリフだったからね。
<格闘シーンが少ないがオリヴィエは必要だった?>
おそらく製作会社はオリヴィエをアクション映画に出して、格闘技以外の魅力を印象づけたかったんだ。アクションスターへの道にふさわしいと考えたんだろう。格闘技をやる俳優は多かったから、差別化しようとしたんだ。
<映画の撮影期間は?>
7週間くらいじゃないかな。それよりもロケ地への移動が多かったんだ。実際、映画を撮影している時間よりも移動時間のほうが長かったよ。だが余裕のあるシケジュールで撮影に臨めた。予算が少なく、工夫して撮り進める必要があったんだ。撮影のやり直しはまず許されない。特殊効果を再び準備する金銭的な余裕はなかったしね。CG技術が映像製作に普及するはるか前の時代だよ。低予算でアイデアを実現させることが課題だった。
<ハワイ火山国立公園について>
ハワイ火山国立公園で撮影したいと前から考えてた。実は監督題第2作でも「ラジオアクティブ・ドリーム」。ここをロケ地に選んだんだ。火山の一帯の雰囲気はまるで別世界のようだ。「ブレードランナー」とも違う独特の表情がある。非日常的な背景に囲まれて撮影できるし、LAっで撮るアクション映画では見られない。国立公園で撮れた映像は期待どおりの出来で満足してる。高地で主人公たちが走るシーンがあるが、標高約4000メートルの山を走り抜けるんだ。寒かったし、空気も薄くて2人には大変だっただろう。さすがに動きは遅かったが火山へと走ってくれた。2人が飛行機に乗り込む場面だ。ほかでは見られない映像だし気に入ってるシーンだよ。
<オールド・ツーソンについて>
オールド・ツーソンの場面は興味深い。背景に西部劇の雰囲気を残しつつ、よく見るとセットの色合いや細かい質感はかなり違うんだ。アクションやSF映画では珍しい光景だよ。物語の舞台としてほかとは違う環境を作りたかった。
<カイザー製鉄所について>
カイザー製鉄所を選んだのは爆発シーンのためだ。廃墟のような場所だし何も気にする必要はない。爆発や撃ち合いを自分たちの好きなように撮れる。何より恵まれていたのは特に制限がなかったことだ。普通の現場には細かいルールがある。撮影のあとは、現場を復旧しなければならないしね。そうなると予算も膨らんでしまうから大胆なアクションや爆発シーンを撮るのも難しい。「ターミネーター2」でも使われたロケ地で、彼らが派手に爆破したからその残骸を利用できたよ。
<ユマ地区の刑務所州立歴史公園について>
映画に出てくる刑務所の中でもとりわけエキゾチックな場所だ。刑務所内の雰囲気が物語に独特の質感を与えている。このシーンで少し観客を引き離したかった。どこにいるのか見当がつかない場所では迷い込んだような気持になる。アレックスが抱く感情を追体験してほしかったんだ。
<ロサンゼルスについて>
ロサンゼルスはさまざまな制約があるから撮影は大変だった。ダウンタウンにある魚市場で、カメラを隠してあるシーンを撮影しようとした。許可を取ろうとしたが使用料を要求されたんだ。私たちの予算ではとても払えない金額だった。それで移動撮影を行うことにした。魚市場を走る俳優を追いかけるため、カメラ・スタビライザーを分解して魚市場に持ち込んだ。撮影スタッフは地下にあるトイレに集合し、分解したカメラ機材をその場で組み立てたよ。そして地下から無線でやり取りして、キューを出すと俳優たちが魚市場を走り抜ける。撮影スタッフは地上に出て俳優の演技を撮影したあと、待たせてた車に乗って去るんだ。これが私たちの考えた計画だったが、連中に計画を見破られてすぐ捕まってしまったよ。地下に警備員が来て止められたんだ。
<アンジー=リブのハワイなまりは脚本にあった?>
脚本に書いていたよ。私はハワイ育ちでなまりのある英語に慣れてた。周りからよく聞こえてきたし、彼らのふるまいも独特だった。ハワイ独特のなまりが生きたセリフになったと思う。
<なぜ機械の体を持つサイボーグが的を外す?>
動きのある映像にしたかったし、間を持たせる必要もある。仕掛けに富んだ派手なアクションを撮りたかった。顔から銃が出てくるとかね。マリオンがアレックスを撃つ。あれが一番正確な射撃だろう。他のサイボーグたちもいろんな攻撃を仕掛けてくる。爆発や銃撃によってダメージを受けたことが、サイボーグの視界に影響したのかもしれない。熱を感知し、防衛機能が働いて危険を避けたんだろうね。彼らは破壊力の強い銃撃を体に受け続けたから銃の照準をつかさどる部分に機能障害が起きたんだよ。
<編集の最終決定権を持っていたのか?>
私にはラフカットの権利しかなかった。編集室から出ていかされたんだ。そのあとは立ち会っていない。私の望んだような完成版にはならなかった。何かを説明するような場面は、ほかの誰かにすべてカットされてしまったよ。
<アッシュ・R・シャーは編集作業を見てたのか?>
いや、残念ながら彼はその場にいなかった。もし彼が参加していればすばらしい完成版になったはず。この作品に携わった者の中には、複雑な感情を抱く人間もいた。成功を望んでいるが正反対の感情もある。嫉妬心など複雑な感情が入り交じってたんだよ。初めから、製作のエリックとは意見が合わなかった。アッシュと私のやり方に彼は不満だった。エリックに直接言われたんだ。製作費の使い方でも意見が分かれたし、私の撮影方法についてもエリックは納得しなかった。だがアッシュは理解してくれたよ。ただアッシュの兄弟はエリックに味方していたようだ。エリックは理性的な話し方をするからだろうな。その点、私とアッシュはまるで子供だった。ほかの映画でも似たような問題は起きた。さまざまな理由をつけられ編集されてしまう。「アドレナリン」ではボブ・ワインスタインが権限を持っていた。話を変えられ撮り直しさせられたよ。最悪の経験だったが映画製作ではよくある話だ。
<オリヴィエ・グラナーについて>
オリヴィエ・グラナーだが、演技に集中していて情熱もあった。ただ食事制限のせいで少し不機嫌だったね。完璧な体を見せるため極限まで追い込んだ。アクションが得意な新人俳優に多く見られるが、肉体による表現からキャラクターに近づこうとする。経験も浅く自分の演技に自信がないからだ。特に外国から来た俳優はそうした傾向がある。彼らは自分の身体的な特徴を頼りにして演技に挑む。オリヴィエも肉体による表現を自身の演技より信用していた。演技やセリフの言い回しに自信がなかったんだろう。彼を思い出すと複雑な気持ちになる。肉体の見せ方より演じる人物の本質を捉えて演技に生かしてほしかった。私の関心が薄かったことで彼の気持ちを傷つけたかもしれない。
<ティム・トマーソンについて>
ティムは明るくて優れたコメディアンだ。俳優としてもすばらしい演技を見せてくれた。彼は演技の中に特別な瞬間を見いだす。ほかの俳優なら見過ごしかねない。ティムにとって、いつもとは違う役柄だった。彼がこういう悪役を演じた経験はなかったと思う。さらにアクションシーンもある。役へのアプローチも興味深かったね。ティムのセリフの言い方や演技によって、キャラクターに人間的な深さが加わった。
<ケイリー=ヒロユキ・タガワについて>
ケイリーと初めて会った時、彼から聞いたんだ。”ハワイなまりの英語を話せる”と。彼は初めからアンジー=リブの役どころを理解していた。「キックボクサー2」で彼を起用して、互いに気が合ったし信頼していたよ。
<マーレ・ケネディについて>
マーレ・ケネディには驚かされたよ。彼女は撮影に備えて役を研究してきてくれた。彼女も前の作品「ミクロコップ」に出演している。マックス役は彼女には新たな挑戦だった。マーレならあのキャラクターに特別な輝きを与えてくれると信じていた。女性が演じる脇役としては珍しい役どころだ。実際、期待どおりだったし、鍛えられた体も役に合っていた。彼女は恐れを知らない俳優だったね。
<ブライオン・ジェームズについて>
ブライオンについては、「ブレードランナー」の演技を覚えていたんだ。彼がそれまで演じた多くのキャラクターと違い、実際の彼はとても優しい人物だったよ。親しみやすい性格で俳優としての経験も豊富だ。現場が混乱すると皆を落ち着かせてくれた。ブライオンは思慮深く精神的な支えだったね。意外に思えるだろうが、彼は若い俳優たちを手助けしてたんだ。自分の監督作品でブライオンと仕事ができてよかった。俳優としても仕事仲間としても最高の人物だ。
<デボラ・シェルトンについて>
デボラ・シェルトンにも驚いたよ。彼女も体を鍛え万全の準備をしてきた。デボラの出演シーンは初めからヌードで演じる必要があった。何も身にまとわない素っ裸の状態でね。SFアクション映画で脱ぐのは、女優にとって覚悟のいることだよ。デボラはよくやってくれた。とれも緊張感のある中で出演したシーンもあったが、彼女は集中して臆さず演じていたよ。不満を言うこともなくプロとしての姿を見せてくれた。
<トーマス・ジェーンについて>
トーマスは脇役ではあるが、彼とデボラの共演シーンは見事だった。デボラが脱いでいたのを見てトーマスも自ら全裸になり覚悟を決めて演じてくれた。スクリーンに映る彼を見れば俳優としての魅力に気づく。後ろ向きなところがなく全力で撮影に臨んでいた。ケンカをする場面で実際に殴られても、中断して手当てすることもなく演技を続けた。トーマスは役に没頭していたんだ。新人俳優とは思えない印象的な演技だった。デボラと触れ合う場面もためらう様子がなかったね。デボラとケンカするシーンでは本当にケガを負ってたよ。本番中に2人は実際にケンカをしたんだ。撮影前にちゃんと話し合っていただろうが、間近で見ていて興奮したし力強いシーンになった。2人の演技に魅了されたよ。彼らのような俳優が私の理想だ。
<ジャッキー・アール・ヘイリーについて>
ジャッキーは最高だよ。彼と仕事をすると毎回楽しませてくれるし、この映画で新たな一面を見せてくれた。「がんばれ!ベアーズ」など70年代に演じたキャラクターの印象から抜け出そうとしていたね。俳優としての新たな可能性を模索していたんだ。彼の創造的な演技を目の前で楽しませてもらったよ。毎回、セリフの言い方を変え違う方法を試してた。彼はカメラの映り方を理解して演技していたんだ。
<映画の完成版を見ての感想は?>
革新的な作品に見せようとしてるのは分かる。いろんな出来事が起こるが最後は落ち着いていく。私は完成版の構成には納得していない。そもそも13歳の少女が主人公の物語だった。物語のテーマを考えると残すべきシーンもあったし、話を理解しやすくするために必要だった。サイボーグの照準についての矛盾点なども含め細部の大事な要素が無視されてしまった。完成版を編集した者は映画を理解してなかったんだ。勝手な意味を加え内容を変えたのさ。それは当然私やアッシュの意図とは違う。
<「ネメシス」で得られた経験とは?>
映画を撮影するのは刺激的だ。多くのアイデアを試せるし、彼らが限界を押し上げてくれる。周りに支えてくれる人間がいると、当初の想定よりすばらしいものが作れる。優れた作品に仕上げようと皆で頑張っていたよ。低予算の独立系映画でやってのけたんだ。一方で残念だったこともある。ラフカットの編集時にあるプロデューサーが来たんだ。”早くラフカットを仕上げろ”とせかされたのさ。自分で編集するために私を追い出したかったんだよ。真夜中に作業を終えると彼が来て、”それが君のラフカットかお疲れさま”と。それで終わりだあとは何もできなかった。
<この映画から学び後に役立ったことは?>
役立ったことはあまりない。そのあとも同じ目に遭った。学んだことといえば撮影についてだ。自分の撮りたいように撮るべきだと確信したよ。あとのことを考えなくていい。なぜならそれが、自分のアイデアを試せる唯一の機会だからだ。スタジオや配給会社のことを気にする必要はない。映画の完成を気にしたところで私に最終決定権はないしね。それが映画ビジネスなんだ。
<「ネメシス」の反響について>
あまり聞いてないんだ。アクションシーンが好評で、オリヴィエについて批判があったのは知ってる。物語が分かりにくいという意見もあった。それを聞いて悲しい気持ちになったよ。脚本の段階で物語の構成は理解しやすかったはずだが、変えられてしまってはどうしようもない。「ネメシス」の評価についてはあまり考えなかった。批評家の意見も気にしてない。自分の望んだ完成版ではないからね。
<編集が製作された経緯は?>
第1作の完成後、アッシュに相談したんだ。本作とは違うまったく新しい「ネメシス」を撮りたくてね。より実験的な要素を含んだ映画にしたかった。アッシュも賛成してくれたよ。第2作の予算は少なかったが、編集の最終決定権は私にあった。インペリアルが収益を得られる額に予算を設定したんだ。それもあって会社は私に権限を与えることに同意した。
<なぜオリヴィエは続編に出演してないのか?>
製作会社はオリヴィエに違う路線を歩ませようとしてた。会社とオリヴィエの間で意見の不一致もあったはずだ。当時、彼が出演したがっていたのはヴァン・ダムの出演作のような大作映画だった。私の撮りたい作品とは違ってね。たとえ予算が少なくてもインペリアルの下で実験的な映画を撮りたかったんだ。オリヴィエが外れたことで製作の自由度が高まり、インペリアルも低予算で収益を得られた。
<続編の中で特に気に入ってる作品は?>
第2作が最も内容が充実してる。「ネメシス2」。アクション映画の基本だ。スー・プライスの演技もすばらしかったし、この作品で新たな女性ヒーロー像を示せたはずだ。あの当時はまだ珍しくてね。ハリウッドに女性のアクションスターはいなかった。だからこそ彼女を主人公に起用した意義がある。ほかに「ネメシス2」で実験的だったのは移動撮影をまったく用いずに三脚のみで撮影したことだ。手持ちも使わず完全に固定した状態で撮影した。カットを工夫し編集で動きを出したかったんだ。実験的なアイデアを多く試みた映画だったね。続編の中で最も優れた作品は、「ネメシス4」だ。評価は分かれるだろうが、これこそ純粋なサイバーパンク映画さ。この映画の舞台は不気味で虚無的な世界。サイボーグの身体構造についても扱ってる。人工の身体組織に焦点をあてサイバーパンクの世界で物語が展開されるんだ。サイバーパンク映画の可能性を追究したつもりだよ。ほかのアクション映画とはまったく異なる作品だ。3つの続編はどれも独創性があるし、そうした映画を作れて満足している。
<自身が映画界に残した功績とは?>
私が功績として誇れるのは、ユニークな作品を作り続けたことかな。それに加えて低予算の独立系映画でアクションやSF作品に挑戦したことだ。観客は想像もしなかった世界を体験する。初めに抱いた想像とは違うはずだ。望んでいた展開とも異なるだろうね。前回、前とは異なる視点で作っていた。私は今まで映画監督を仕事と考えたことはないし、低予算でも斬新なスタイルで質の高い映像を撮ったつもりだ。「ネメシス」の世界をぜひ体験してほしい。
<次回作について>
私の新作もぜひ見てほしい。「バッドアス・エンジェルズ・アンド・デーモンズ」2019年に公開が予定されている作品だ。全方位カメラや3Dで撮影した。作品に合ったユニークで斬新な映像が撮れている。恐らくこれが最後の監督作になる。2017年に公開された作品「インターステラー・シビル・ウォー」も見てほしい。
製作エリック・カーソンのインタビュー
<映画「ネメシス」とは?>
「ネメシス」はサイバーパンク映画。人間の魂の救済について描かれている。予告編のナレーションにもあるとおり、”彼は答えを知ってるが問は知らない”。登場人物たちは体の一部を失っていて、何かを暗示する比喩にも思える。だが、これはエンターテインメント映画だ。アクションシーンも多いし楽しめるだろうね。
<「ネメシス」の前はどんな仕事を?>
当時、私は製作会社の幹部として働いていた。稼ぎもかなりよかったよ。インペリアル・エンターテインメントの社員だ。だが映画製作に参加できずにいた。製作部門の部長として忙しかったからね。インペリアル・エンターテインメントは年間1~2本の映画を製作していた。製作しない年もあった。それでも毎月1~2作品を発表できたのは、配給するために多くの作品を仕入れてたからだ。私の仕事はそれらの作品を商品化して市場に向けて宣伝することだった。子会社であるスクリーンランド・プロダクションの社員とね。だから映画製作に手が回らなかった。会社を去ってから本格的に始めたんだ。
<「ネメシス」の始まりは?>
ほかの映画の始まり方と同じだったように思う。インペリアルはある企画を進めていた。オリヴィエ・グラナーの主演作だ。検討を重ねた結果、ある監督が選ばれた。それがアルバート・ピュン。彼は限られた予算でアクション映画を撮る経験豊富な監督として知られていた。結果として製作費が膨らんだのは、興行価値の高い作品を目指し、会社が製作費を増やしたからだ。脚本を担当したのはレベッカ・チャールズ。一部の人が知るとおり脚本家の正体はアルバートだよ。実際は監督本人が脚本を書いていて、物語の組み立ても見事で優秀だった。もちろん彼と契約することにしたよ。企画は製作段階に移った。製作は私とアッシュ・R・シャー。そして一般的な作品と同じように製作準備から撮影、編集へと進んでいった。
<「ネメシス」はシリーズの発端だったのか?>
「ネメシス」のあとには多くの続編が作られた。ネメシス1・2・3・4…そんな具合にね。シリーズの土台を築き興行価値が高かったのが、この「ネメシス」第1作だった。アルバートは興行価値の大切さを知っていた。少ない予算で撮影する方法を製作会社に自ら話して、自分の望むものが撮れると説明した。サイボーグを扱ったSF作品だと。撮影中、俳優たちは食事を調整し体を鍛えていた。筋肉をつけるためにね。ボディービルダーを集め撮影に参加させた。私は予告編も担当したよ。インペリアルは自社の映画作品を必要としてた。ビデオ市場に作品を流通させたかったんだ。アルバートの作品を仮に毎月発表できれば、製作会社としては満足だろうね。少なくとも数か月に1つは作れる。ビデオ作品の市場が衰退すると毎月5~6万本の売り上げを維持するため手を打った。ほかの製作会社も含め、毎月2作品を発売するようになった。製作会社も収益を保つ必要があったからね。
<「ネメシス」シリーズ>
続編は低予算で製作され、第1作と比べれば興行価値も低かった。同じ映画を作り続けることに私は興味を持てなかったんだ。さらに第1作に携わったプロデューサーたちや、撮影スタッフに支払うギャラの問題もあった。彼らのギャラが上がり起用できなくなったんだよ。
<オリヴィエ・グラナーはなぜ続編に出演してないのか?>
それも金銭的な問題だね。オリヴィエの出演料は予算の半分を占めた。映画をご覧の皆さんはどのシリーズ作品も同じように見ているだろう。だが低予算で続編を作る場合状況は変わってくる。どんな規模の映画を作るのか最初に想定するんだ。トム・クルーズは出るような5000万ドル級の作品か、それとも200万~1000万ドル級の作品か。同じ内容で予算がないとすべての質が下がる。
<オリヴィエ・グラナーが選ばれた経緯は>
この映画は初めから面白くなると思っていたし製作会社も十分な集客を見込んでいた。オリヴィエはたくましく存在感もあり、ミステリアスな雰囲気を持つ俳優だった。それにハンサムだ。作品中には格闘シーンも多少はあるが、俳優が活躍する映画でなく、むしろ監督の作家性が目立つ。俳優が動く小道具のように見える人もいるだろうね。典型的な特徴を持つキャラクターばかりだ。もちろん、皆、優れた俳優だからキャラクターの特徴をつかみ見事な演技を見せてくれたよ。その中でもオリヴィエは主人公の役柄にぴったりだ。
<オリヴィエの声に代役を立てようと考えたか?>
サイバーパンクというジャンルは、雑誌やコミックで広く読まれていた。オリヴィエを呼んで撮影前にテストをしたときにさまざまな国の言語が現場では飛び交っていたね。これが90年代初めに作られたのだから驚きだ。ネットやパソコンはまだ普及していない時代にいろんな言語が話される。当時、映画を見ていた若い観客たちは劇中で話される言葉を理解していない。観客には不親切だと思うがそれもサイバーパンクの要素だ。つまり異なる要素が1つの作品に集約されている。いろんなものが互いにぶつかり合っているんだ。観客には理解しづらい場面もたくさんあっただろう。だがアクションによって物語が展開していく。オリヴィエのセリフは少なく、代わりにティム・トマーソンやブライオン・ジェームズが話す。だが設定を考えるとセリフが少なすぎても不自然だ。彼はサイボーグではなくまだ人間なのだから。
<キャスティングの流れについて>
キャスティングについては、知名度のある俳優も候補に挙がっていた。公開で本読みをしたので新人俳優もやってきたけどね。そのおかげで、私たちは才能あふれる多くの新人俳優を発見できた。この映画に登場するキャラクターを並べれば分かる。彼らの顔だちや雰囲気が、それぞれとてもユニークで魅力的なことに気付くだろう。彼らの強烈な個性がシーンに説得力を与えてくれた。キャスティングには大いに満足してる。ハワイで見つけた高齢の女性もいたね。85歳くらいの老女が拳銃を構え、サイボーグを撃ち殺す。”これでお前さんこそガラクタだ”と。映画館では大ウケだったよ。
<デボラ・シェルトンについて>
デボラ・シェルトンは本当に美しかった。現場入りした彼女を見てみんな驚いていたよ。”これほど完璧な人間をどこから連れてきた?”と。触れることすら恐れ多いんだ。現実世界にいる人間とはとても思えなくてね。カトリーヌ・ドヌーヴとCM撮影をしたときの話だが、私にこう聞くんだ”左右どちらの顔がいい?””どっちも完璧なの”と言われカメラをのぞくとそのとおりだった。普通は鼻の形で美しく見える向きが決まる。だが彼女はどちらも美しい。デボラも同じだったよ。デボラは容姿に加え演技もすばらしかった。
<デボラ・シェルトンはヌードに抵抗がなかったのか?>
抵抗感はなかったようだ。当時は女優としてのリスクもあったがデボラは役になりきることに集中していたんだよ。演じるには複雑で難しい役柄だったからね。体の半分が機械の状態で床に横たわる場面もある。そのシーンのために特別にセットを組んだ。特殊な体を持ったキャラクターもいる。そうした複雑な役を相手に演技する。どのキャラクターも魅力的な個性を持っていた。おもしろかったよ。
<俳優とのトラブルは?>
問題を起こす俳優なんて誰ひとりいなかったよ。ただオリヴィエは厳しい食事制限を課されていた。彼が不機嫌なときは秘密で食事に連れ出したよ。すると、次の5日間はクラッカーで我慢してくれた。
<トーマス・ジェーンについて>
トーマス・ジェーンも本読みに参加していた。彼の演技を見てすばらしいと思ったね。トーマスが演じるシーンを撮影してたときに私は映画の完成保証会社と2日間話し合っていた。天候などの理由で撮影が遅れていたからだ。あの部屋でのシーンはセリフが多く、焦っていた。2人が演技を始めると特別な空気が流れたんだ。何とも言えない濃密な雰囲気で最高だったよ。本当に驚いたな。彼らの演技を見てこのまま続けようと思った。アメリカで活躍する俳優たちはどんなシーンも魅力的に見せる。たとえつまらないセリフでもね。電話帳をおもしろく読むことさえできる。メロドラマに夢中になる人も多いのは、実在する人物のように演じるからだ。感情や表情の見せ方で物語に真実味を持たせる。世界に広く貢献してるんだよ。
<ジャッキー・アール・ヘイリーについて>
監督のアルバートの意向だ。彼はジャッキーと個人的に親しかった。監督が直接本人に電話して出演を依頼したんだ。アルバートはほかの俳優も同じように起用した。彼が声をかけたおかげで出演してもらえたんだよ。彼らは才能ある俳優だったし運がよかったね。
<監督:アルバート・ピュンについて>
彼は監督として数多くの映画を手がけている。監督でありながら脚本も自分で書いていてさまざまなアイデアが浮かんでくるんだ。彼が影響を受けてきたものが作品に反映される。例えば「ブレードランナー」。アルバートは子どもの時に見て衝撃を受けたらしい。”信じられないほど力強く洞察力に富んだ映画だ”と。「サイボーグ」など彼の得意分野はSF作品だから、いつか「ブレードランナー」の続編を作るかもしれないね。彼にとって、あの映画がインスピレーションの源なんだ。映画の世界を目指すきっかけになった。彼は脚本を書くのも撮影するのもとにかく早いよ。アルバートの作品には常連の俳優や美術監督がいる。彼は想像力も豊かで1年あれば4つの作品を撮るね。3か月あれば1つ完成させるよ。
<映画の撮影日数は?>
移動の日数を除けば撮影期間は8週間だったはず。特に頼もしかったスタッフがいる。フラジー兄弟は特殊効果のベテランだった。銃撃や爆発などのシーンが彼らの専門だったよ。フラジー兄弟が数々の爆発シーンを実現させたんだ。映画の世界観に合うロケ地はノース・ハリウッドにはない。独特の雰囲気が漂うカイザー製鉄所が選ばれた。「ターミネーター2」が撮影された場所だ。あの製鉄所には黙示録的な雰囲気がある。荒廃していてSF映画の世界によく合うんだ。ほかにもハワイ島に行き現地で撮影した。火山や風車など映画に合う景色がたくさんある。本編にも出てくる風力発電基地とかね。草原に生えている草は胸の高さまであるんだ。エキゾチックな雰囲気で道には小さなバーがあった。いろんな場所で撮影したよ。西部劇のセットがあるオールド・ツーソンにも行った。「ネメシス」の劇中では、荒れ果てた町のセットとして古い酒場が登場する。ほかには砂丘で撮影したシーンもあった。ユマ地区の刑務所州立歴史公園は石の壁がそのまま残されている。古い建築物の中にサイボーグがいるんだ。その異様な組み合わせがサイバーパンクの特徴だろうね。
<ケイリー=ヒロユキ・タガワはどんな人物?>
ケイリー=ヒロユキ・タガワはすばらしい俳優だ。彼はアルバートの友人でハワイまで来たんだ。監督の依頼で映画に出演し見事な演技を見せてくれた。
<映画で使われた言語について>
登場人物は話す言葉はこの映画の特徴とも言える。アルバート自身が言葉を考え脚本に書いた。ハワイで話されるなまりの強い独特の英語だよ。アパートで登場人物たちが歩き去っていく場面がある。そのシーンのやり取りで何人かいる中で体の大きな男がこう言うんだ。「リン 昼飯でも行こう」と男が低い声で返事をしてセリフを何度も繰り返す。映画の世界観を示すテクニックとして使われてる。
<人工知能を持つサイボーグが銃が下手な理由は?>
戦闘シーンや銃の撃ち合いは動きの中で起きる。素早く立ち回る相手を追いかけるときに動きが読めない標的をしとめるのは至難の業だ。サイボーグであれば狙いは正確かもしれないがロボコップのように人間が改造された連中なんだ。生まれながらのサイボーグとは構造も違う。つまり基本は人間であり相応の欠陥はあって当然だ。
<マックス・インパクトを演じたマーレ・ケネディについて>
マーレは若く明るい性格で公開の本読みにも来ていた。彼女の人生経験もほかの俳優と同様におもしろい。ハリウッドは才能さえあれば何者でも受け入れられるからね。彼女はグレイトフル・デッドの追っかけだった。”ジェリー・ガルシアは神様じゃなくてサンタクロースよ”と。彼女の性格がよく分かるエピソードだ。
<製作として現場にはよく足を運んだか?>
ジョエル・フリーマンから多くを学んだ。彼は偉大なプロデューサーだった。現場で何が起きているか理解することが大切だ。セットの脇にいて問題が起きればすぐに対処する。先を見越して判断することがプロデューサーの役割だね。撮影期間が長いとほかのシーンの準備など現場に行けない日もある。だが現場にいない間も翌日の撮影について考えるんだ。
<撮影中にトラブルはあったか?>
全くなかったが俳優はダイエットでイライラしていた。食事制限の影響だからしかたない。製作にはいいスタッフがそろっていた。助監督や周りのスタッフが手際よく進めてくれたよ。彼らのおかげで撮影中に大きな問題は起きなかった。こういう言葉がある。”冒険とは不十分な計画の結果である”と。計画が万全なら問題は起きない。撮影にも穏やかな気持ちで臨める。
<完成した作品の感想は?>
おもしろかったよ物語やキャラクターも興味深い。公開前に試写会で上映したバージョンと比べると観客にとって内容が分かりづらくなった。公開後のバージョンは明らかにアクションシーンが多い。観客が個人的に共感できる要素が少なくなったと思う。だが、それも作品の個性だ。どちらを選ぶかによるだろう。私は物語や人物が丁寧に描かれる作品が好きだ。それが最も重要な要素であり、私たちが興味を抱くのは人間についての物語だからね。
<続編には参加したのか?>
インペリアルの製作で続編は作られた。第1作より予算は少ない。インペリアルは作品の配給にも関わっていたよ。会社は毎月2~3本の作品を発売し続ける必要があり、ほかの配給会社にとっても大きな問題だった。アルバートはその状況で作品を撮り続け、SFが好きな客層をターゲットに製作していた。そうして数々の作品が製作され発売された。
<作品の興行成績に満足している?>
興行成績はよかったよ。だが、あの時期は残念なことにビデオ市場が小さくなりつつあった。さらにスタジオとの間で深刻な問題も起きた。「ネメシス」の看板が完成し映画館も押さえていた。ウェストウッドでメディア向けの宣伝も準備した。アカデミー賞の時期が近く、ワーナー・ブラザーズも上映する映画館を探していた。私たちの作品はキャンセルされ別の映画館へ移された。多くの資金を投入し宣伝したのにひどい扱いだよ。メジャースタジオは次の週には新作を公開する。当然、映画館も公開作品の多いほうを優先する。それで上映する映画館を限定された。このようにスタジオとの衝突がたくさんあった。
<続編を作ることについてどう思うか?>
非日常的な世界を描いた戦闘やアクションを見るのはおもしろいし賛成だ。例えば西部劇にも続編を描いた作品があるし、ティーン向けコミックの実写化映画も大人気だ。少し勢いが衰えてきた気もするが、ジャンルの人気は時代とともに変わるからね。
<「ネメシス」のあとはどんな仕事を?>
映画の完成後私はインペリアルを去った。「ダブルドラゴン」の興行成績が悪かったため会社は負債を抱えた。インペリアルは経営方針を見直し、映画製作から手を引いたんだ。そこで私が設立したのがアメリカン・メディア・グループ。映画製作に加えて販売まで請け負う製作会社だ。作品を販売し、収益を得る。会社の重役として働くようになったんだ。映画業界で会社を続けていくには市場や業界の風向きについて学ぶ必要がある。時代を読む能力もいる。企画を実現させるには必須と言えるだろう。そのあと自分の会社から去り好きなことを始めた。監督や脚本、小説の執筆などさまざまな活動をしたよ。ティーン向けの番組も作った。デジタルの時代に入り監督として参加した作品だ。撮影からすべてデジタル形式で製作した。映画を作っているときに遊びでこういう質問をするんだ。”2000年前に生きていたら何をしていた?”と。私はその時代でも全く同じことをしていたよ。現代では機械のおかげで記録に残すことができる。だが基本は情熱と舞台とキャラクターだ。撮影監督の言葉を思い出すよ。監督として携わった現場でリハーサルをしていた。照明や演技の打ち合わせを終え彼を呼んだ。すると彼は”ここへ機械を持ってこい”と。監督は現場で全体を指揮するのが役目でカメラは記録する装置にすぎない。
<オリヴィエ・グラナーのその後は?>
「ネメシス」に出演後、オリヴィエは積極的に異なる作品に出演した。数々のオファーを受け「サバット」に出演してたね。1800年代半ばを舞台にした作品だ。ジェニファー・グラントとSF映画「サイバー・ファイター 復讐の使者」で共演。ディズニーと仕事をする。「オートマティック2033」でプロデューサーの作品にも出演してたよ。オリヴィエは数多くの作品に出演したが低予算で作られあまり人気も出なかった。スタジオは製作会社に見切りをつけたんだ。作品の需要はなくなったが彼は俳優を続けてるよ。俳優以外にもさまざまな才能がある男だ。ヘリコプターの免許を取り会社を設立した。LAのダウンタウンの屋上に安全に飛んでくれる。今は監督業にも挑戦してるしね。ヒットする映画を撮れる監督は少ない。だが予算を抑え製作費の倍の額を稼げば生活できる。アメリカ映画は海外で広く見られているからヨーロッパや中東の市場も期待できる。10万~15万ドルで製作する能力があれば、その作品を販売すればいい。30万ドルほどで売れれば利益が出て次回作を撮れる。オリヴィエは自分で映画を作りたくなったんだ。小さなパートでは満足できず監督に挑戦した。私は”おかしな老人”として彼の映画に出演したんだ。”一番輝いていた”と褒められたよ。きっとお世辞で言ったんだろう。
恐怖度
☆★★★★
<感想>
冒頭のドローンの吊っている糸が見えていますねwちょいちょいターミネーター感のあるサイボーグが出てきます。85歳のババアがサイボーグを銃で撃ち殺すシーンと終盤でアレックスが禿げるシーンがじわる。