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南京虫
お前ら南京虫って知ってるか?
別名:トコジラミ、床虫
と言われる吸血性の奇声昆虫とされています。
名称について
「南京虫」の「南京」とは、江戸時代には海外から伝わってきた小さいもの、珍しいものに付けられる名だった(他の用例として南京錠、南京豆などが挙げられる)。この昆虫は海外からの荷物に付着して伝わってきたと考えられている。ただし、実際に中国南部の広東省から江蘇省にかけても多く生息していたため、南京という地名に由来するとの説もあながち間違いではない。中国語では「臭虫」と呼ばれ、本種を「温帯臭虫」、タイワントコジラミを「熱帯臭虫」と称して区別する。タイワントコジラミとの混称と思われるが、地方名に、「あーぬん」(沖縄県石垣島)、「あやぬん」(沖縄県小浜島)、「ひーらー」、「っちゅくぇびーら(人食いひら)」(首里方言)、「あかめ」(東京都八丈島)などがある。布団やベッドに潜み、そこで被害を受けることが多いので「トコジラミ」や「トコムシ」の名称が付いた。英語ではトコジラミ、タイワントコジラミともに「bedbug」の名称が使われるが、トコジラミを特に指す場合は「common bedbug」と言う。
特徴
「シラミ」と命名されているが、シラミ目ではなく、カメムシ目トコジラミ科の昆虫で捕食性のカメムシであるマキバサシガメ科などに近縁である。トコジラミ科の昆虫は全て吸血性であるが、そのほとんどは主に鳥類やコウモリ類を宿主とする。一方で本種および近縁種のタイワントコジラミ(台湾床虱。学名:Cimex hemipterus。別名、ネッタイトコジラミ、ネッタイナンキンムシ、熱帯南京虫)のみが、人間を主な吸血源とする。成虫は5 – 7 mm程度に成長する。不完全変態で、幼虫と成虫はほぼ同じ形をしている。また成虫も翅を持たない。体色は吸血前は薄黄色からやや赤褐色を呈すが、吸血後は吸血した血液が透けて見えるためより濃い茶色となる。成虫は卵形で、背腹軸に扁平である。タイワントコジラミとは形態的によく似ているが、トコジラミは前胸の縦横比が2.5倍程度であるのに対しタイワントコジラミは2倍程度と少し細長くなっている。長期間放置された見開き雑誌にも、潜んでいる場合がある。また、家具の裏など、掃除していると抜け殻が見つかる場合もある。
現況
日本では普通は目にすることのなくなったトコジラミだが、今でも被害がときおり発生している。2010年代では、近隣国の経済成長や査証免除によって訪日外国人旅行客が増加したことによって、彼らの体や荷物に付着して、母国から持ち込まれたトコジラミが宿泊した宿に入り込み、東京都や大阪府の宿泊施設を中心に発生例が相次ぐなど、旅館経営者は頭を悩ませている。オーストラリアやアメリカ合衆国でも、近年になって再びトコジラミが大発生し、観光業界に大打撃を与えている。アメリカでは21世紀に入り、トコジラミの大発生が問題となっている。例えばサンフランシスコの衛生局では、2006年にトコジラミの感染について、2年前の倍以上の回数の報告を受けた。約50年前にDDTの使用によりほぼ根絶やしにされたトコジラミが、新たに殺虫剤への薬剤抵抗性を身につけた「スーパートコジラミ(スーパー南京虫)」に進化したこと、害虫の防除に使われる殺虫剤が、毒性の弱いものへと移行したことが再来の原因ではないかと報道されている。アメリカ合衆国で採取されたトコジラミについて、薬剤感受性が調べられたが、ピレスロイド系殺虫剤に対し非常に強い薬剤抵抗性を示した。大阪の西成区でもインバウンドの影響とホームレスが南京虫付きの衣類や寝具を回収して爆発的に界隈で流行ったニュースがありましたね。
駆除方法
住居では、畳の隙間やコンセントの隙間、壁の隙間、ベッドの裏、絨毯の裏、読まないで長期間放置している見開き雑誌などに隠れていることが多いので重点的に点検する。ベッドの縁や壁の隙間などに半透明楕円形の卵を産むが、卵を全て発見し除去しないと再発生を繰り返す。
薬剤の使用、エアゾール状の薬剤を通り道に散布する。絨毯や畳の裏などにはピレスロイド系のフェノトリン(商品名スミスリンなど。粉末状の薬剤)を散布することが有効である。パラジクロロベンゼンなどの防虫剤を嫌うため、旅行先などで付着されないためには荷物へ防虫剤を入れる。ピレスロイドに薬剤抵抗性をもった耐性種への対策として、製薬会社ではオキサジアゾール系(メトキサジアゾンなど)を配合することで対処している。また加熱乾燥車など熱風を利用した駆除も、薬剤抵抗性を生じず効果的である。アメリカ合衆国などではフッ化スルフリルが使用されるが、強い毒性や温室効果などの問題がある。